心と体のつながり

こころとからだ

こころが体に影響しているということを実感した患者様のお話です。
この方には漢方治療は行いませんでしたが、ゆっくりとお話を聞き、ご自分の考え方の傾向に気づいていただき、あわせて生活指導と食事指導を行ったことで、症状が改善された事例です。

患者様の症状 40代男性、主症状は、幻聴、睡眠障害、原因不明の倦怠感、糖尿病、喘息、でした。
医療機関で投薬治療中で安定はしていましたが、緊張と疲労が続いており、このままずっと薬を飲み続けるのか、普通の生活はできないのかとのご相談でした。

過去の体験や性格の分析 発病時のご様子や経過をお聞きしました。とても真面目な性格で、強い責任感と並々ならぬ努力であらゆることを乗り越えられてこられました。当然、勉学も優秀な成績で、スポーツでもリーダーシップを取られ、留学も経験されていました。
この方の特徴として、ひとつのことに集中すると、疲れていても休まず集中し続け、結果として倒れることを、これまでの人生の中で繰り返されていました。
今の症状が発症した時も過労が続いており、また共通して年上の男性(先生、教授、上司)の存在がいつも影響していました。

原因の特定と改善策 出生時からのライフイベントをお聞きすると、幼少時にお父様を亡くされていました。その後お母様は再婚されましたが、幼児期にも関わらず自分がお母様、生まれたばかりの弟を守っていこう、自分は泣かない、新しい父には甘えないと思っていたとおっしゃったのが印象的でした。その後の人生も頑なまでにその思いを貫いておられます。
あくまでも推測になりますが、この方の過労に関わる原因としての年上の男性は、父親の存在が重なります。
期待に応えたい、認められたいという思いで、疲労を休息でなくカフェインの摂取等で乗り越えて来られ、結果として、長期にわたる緊張と疲労状態を生み出している可能性をお話し、そのことに何かを感じられたようでした。

カウンセリングなしで改善 この方には漢方薬の処方やカウンセリングはしませんでした。
アドバイスとしては①どんな場面で過労が起こるのか、その傾向に気づいていただいいて休息するように心がけていただくこと、②食事内容の改善(炭水化物と糖質の摂取を減らすこと)、コーラなどカフェイン含有清涼飲料水を取らない、③睡眠時間を含めた生活全体を見直し、④ご健在のご両親に連絡を取って会い、当時の気持ちを思い出せる範囲で伝え、甘えたいと思う気持ちをできる範囲で表現すること、をお伝えしました。
しばらくして、ほぼすべての症状が改善し、血糖値も下がり、糖尿病も改善したとのご連絡をいただきました。

自分の傾向に気づく この方の場合、疲れたら休み、正しい食事と睡眠を取る、という当たり前の部分に問題があったと推測されます。それを妨げていたのは心の問題でした。
推測ですが、年長の男性に認めて欲しいという思いがあり、休めなかった。これは父親を慕う気持ち、甘えたいとう思いと関連するのかもしれません。
患者様がお話する中で、そのような気持ちにご自身で気づかれたことがきっかけとなり、生活面の改善と合わせて、漢方治療、カウンセリング等を行わずに症状の軽減、消失につながったと推測されます。

ひとりで苦しまないでください 保険診療では、ゆっくりお話を聞くことは難しいのが現実です。
漢方サロンcojicaでは、おひとりおひとりの病気の原因を探るため、一時間程度ゆっくり時間をお取りしてお話を伺います。併せて体のバランスは漢方薬でしっかり取らせていただきます。

自分と向き合うあなただけの時間です。思うままにお話しいただき、たくさんの気づきと心の栄養を得てください。
カウンセリングなど特別な治療がなくても、漢方薬で体のバランスを取りながら、“気づく”ことで症状が改善することは珍しいことではありません。

漢方サロンcojicaで、こころとからだを癒していきませんか?

漢方の種類

エキス剤(おすすめ)、ティーバッグ式煎じ薬(土瓶などで煎じる)、錠剤、シロップ剤があります。
錠剤、シロップ剤がない種類のお薬もあります。

  • エキス剤煎じ薬を濃縮エキスにし、さらに乾燥させた主に顆粒状の薬で、一定の割合で生薬を配合したものです。

  • ティーバッグ式煎じ薬原材料の生薬を組み合わせたものを土瓶などで煎じて有効成分を抽出して服用します。

  • 錠剤、シロップ剤飲みやすく携帯性のある一般的な錠剤型、シロップ型のお薬です。