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2026.06.18

12歳女児 起立性調節障害(体位性頻脈症候群)

初診時(202○年8月)

「朝起きられない」「起こすのに1時間近くかかる」「起こせない日もある」という状態で来局されました。

中学受験を控えており、朝の不調を改善したいとの希望がありました。

初診時の主な症状

  • 朝起きられない
  • 起床に1時間近くかかる
  • 食欲不振
  • 空腹感はあるが食べられない
  • 慢性的な下痢
  • 疲れやすい
  • 寝つきが悪い(入眠まで約1時間)
  • 夜中に無意識に起きて歩き回ることがある
  • 長時間座っているのがつらい
  • 蓄膿症になりやすい

学校は月に2回ほど欠席していました。


胃腸の弱さが目立つタイプ

この症例で特徴的だったのは、

起立性調節障害の症状の背景に、胃腸の弱さと慢性的な下痢が存在していたこと

です。

  • 朝食はフルーツやゼリー程度
  • 慢性的な下痢
  • 便の臭いが強い
  • 食後の腹痛
  • 食欲低下

など、消化吸収機能の低下が目立っていました。

また、エネルギー不足のため、

  • 朝起きられない
  • 疲れやすい
  • 長時間座っていられない

という状態になっていたと考えられました。


治療経過

2週間後

  • 全体的に元気になった
  • 朝以外にも空腹感が出てきた

体力回復の兆しが見え始めました。

一方で、

  • 寝つきの悪さ
  • 慢性的な下痢

は残っていました。


1か月後

長年続いていた下痢が数日止まり、

便の状態にも変化が現れ始めました。


1か月半後

  • 元気が出てきた
  • 夜中に歩き回る症状が消失

自律神経の安定が進み始めました。


約2か月後

  • 下痢は半分程度まで改善
  • 学校を休まなくなった
  • 朝の寝起きが短くなった
  • 起床後すぐ動ける日が増えてきた

日常生活への支障が大きく減少しました。


約3か月後

  • 腹痛消失
  • 夜間の異常行動なし
  • 便は3日に1回程度の軟便で、それ以外は正常便
  • 学校を休まなくなった
  • 朝6時30分に起床できるようになった

当初の目標であった、

「朝起きて学校へ通えるようになる」

という目的を達成することができました。

その後は来局されず、治療終了となりました。


この症例から考えられること

起立性調節障害というと、自律神経だけに目が向きがちですが、

このお子さんでは、

胃腸の弱さと慢性的な下痢によるエネルギー不足

が根本にあり、それが朝起きられない原因の一つになっていたと考えられました。

胃腸が整い、

  • 食欲が出る
  • 下痢が減る
  • 腹痛がなくなる

につれて、

  • 朝の起きづらさ
  • 疲労感
  • 学校生活への支障

も改善していきました。


漢方薬剤師からの考察

この症例を振り返ると、初期には体力を補う方向を重視していましたが、

慢性的な下痢と「お腹の冷え」へのアプローチを、さらに早い段階から徹底していれば、より短期間で改善できた可能性があります。

起立性調節障害のお子さんの中には、

  • 朝起きられない
  • 食欲がない
  • 下痢しやすい
  • お腹が冷えやすい
  • 疲れやすい

といった「胃腸の弱さ」を伴うケースが少なくありません。

自律神経だけを見るのではなく、

「胃腸を立て直して体のエネルギーを作れるようにすること」

が、回復への近道になることもあります。

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